国内イベントなどで活躍する韓国語通訳
韓国アイドルや俳優さんのイベントに行くと、ほとんどの場合通訳さんが舞台袖で待機しており、アイドルたちが話した言葉をその場で日本語に変えて私たちに伝えてくれます。また、ファンミーティングやトークショーなどでは一緒に舞台に上がっていることもあり、ファンに人気が高い通訳さんもいますよね。
では、韓国語の通訳案内士と呼ばれる通称「通訳さん」は、韓国語が話せれば誰でもなれるのでしょうか?日本でもここ数年、韓国語が人気がありますが、実際に通訳になるにはどうしたらよいのでしょうか?
そこで今回は韓国語の通訳案内士に注目し、通訳として働けるお仕事や求人の探し方、また通訳案内士になるための資格などもご紹介していこうと思います。
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韓国語の通訳・翻訳の違いは?
まず最初に、みなさんは「通訳」と「翻訳」の違いをご存知でしょうか?どちらも「韓国語を日本語にする」「日本語を韓国語にする」ということに違いはありませんが、仕事となるとそれぞれに違いがあるんです。
通訳者とは「異なる言語を使う人たちの間に入り、話し手の言葉を聞き手が使う言語に変換する人」のことをいいます。通訳者の仕事は、「口頭による話し言葉」を扱うことがメインとなります。
通訳者の仕事として代表的なのは、海外企業との商談や外国人スタッフとの社内会議など、ビジネスの場で通訳をする「ビジネス通訳」や、大規模な国際会議やシンポジウムで通訳を行う「会議通訳」などが挙げられます。そのほかにも、ニュースの国際放送などで活躍する「放送通訳」、外国人に外国語で日本の案内をする「通訳ガイド」、病院、役所、入国管理機関といった施設で外国人の日常生活をサポートする「コミュニティ通訳」などの仕事があります。
通訳ガイドやコミュニティ通訳などは、学生から年配の方まで幅広い年齢層の人が活躍しているケースが多いです。会議通訳やビジネス通訳は、ビジネス経験やスピード感が求められるため、30代以上で社会人経験のある人がなることがほとんどです。
一方で翻訳の仕事は「異なる言語の文章を相手の言語に変換すること」です。通訳者は話し言葉を基本とするのに対し、翻訳者は書面での仕事がメインです。翻訳者の主な仕事の種類としては、企業で使う資料やマニュアル、契約書などを翻訳する「産業翻訳(実務、ビジネス翻訳)」や、海外小説などを翻訳する「出版翻訳」、ドラマや映画、アニメなどを翻訳する「映像翻訳」があります。
また、各業界の専門知識が必要な場合が多いのも特徴です。社会人として様々な経験を積んでから、定年後に転身するケースも少なくありません。業務形態としては、企業に翻訳者として勤務する以外に、フリーランスで活躍している人も多く、自分のペースで仕事ができるのも人気の理由の1つです。
韓国語の通訳案内士になるための資格とは?
韓国語がペラペラに話せたとしても、通訳案内士になるには資格などが必要となり、その基準は結構高いとされています。
通訳案内士試験の外国語の種類は、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語及びタイ語となっています。通訳案内士試験は、年齢、性別、学歴、国籍などに関係なく受験が可能です。平成28年度通訳案内士試験には、2,404人が合格しました。
通訳案内士(通訳ガイド)は、単に語学力が優秀であるだけでなく、日本の地理、日本の歴史、さらに産業、経済、政治および文化といった分野に至る幅広い知識、教養を持って日本を紹介するという重要な役割を負っています。外国人旅行者に日本の良い印象を持って帰ってもらうことは、正しい日本理解の第一歩となり、通訳案内士(通訳ガイド)の仕事は、“民間外交官”とも言える国際親善の一翼を担うやりがいのある仕事です。
国立国際教育院が制作する韓国語能力試験(TOPIK)の6級に合格した者は筆記試験が免除となりますが、TOPIK6級は一番上の級となり、「韓国滞在歴5年の人でも合格できない」どころか、普通の韓国人でも6級は合格できない人もいると聞きます。
それに合わせ、難関の口頭試験。こちらは聞く話す、どちらか偏っていてもダメであり、特に通訳士は「実際に話す」ことが大前提となるので、なかなか難しい道のりとも言えますね。実際に数人の韓国語通訳士さんを調べてみたところ、ほとんどの方が韓国の大学の語学堂を卒業されていたり、留学経験がありました。