日本の紙幣よりサイズが小さい韓国の紙幣をご紹介!
みなさんは韓国の紙幣を見たことがありますか?たまにドラマなどで映りますが、実際に韓国を訪れた方でないと「実物を手にしたことがある」という方は少ないかもしれません。
韓国には数種類の紙幣がありますが、どれもそのサイズは日本の紙幣より小さく作られています。最近ではだんだん減ってきましたが、10年ほど前までは韓国でお財布を購入した場合、日本でいざ使ってみると“札入れ”の部分が小さくて、日本の紙幣が入らない!ということもよくありました。
普段、知っているようで知らない韓国の紙幣。そこで今回は韓国で使用されている紙幣にスポットを当て、種類やその価値、また韓国の紙幣の歴史などもチェックしていきたいと思います。
【関連記事】
日本より種類が多い韓国の紙幣
まず、日本の現在の紙幣は1万円札・5千円札・千円札の3種類です。以前は2千円札というものがありましたが、ここ数年すっかり姿を消してしまいましたね。
一方、韓国には5万ウォン札・1万ウォン札・5千ウォン札・千ウォン札という4種類の紙幣が存在しており、どれも日常でよく使用されている紙幣になります。但し、実はこれがちょっと使いづらいと外国人観光客からは聞かれることが多いです。
その理由は、日本では最高価値の紙幣が「1万円」であるのに対し、韓国の最高価値の紙幣は「5万ウォン」となっています。レートや価値などは、後ほど詳しくご説明していきますが、これは日本で言う「5万円」ではなく「5千円」を意味するものなのです。
韓国だけに限らず、日本でショッピングをする際に1万円札を利用する頻度は結構高いと思います。また、お給料が手渡しだった場合なども20万円では1万円札が20枚となりますが、韓国で同額だった場合には5万ウォン札が40枚となるんです。
そのため外国人観光客からは「お札の枚数が多くてかさばる」「枚数を計算するのが大変」という意見も聞かれています。
韓国の紙幣の歴史を勉強してみよう!
ここでは4種類の紙幣、それぞれの歴史をご紹介していきたいと思います。
5万ウォン札
5万ウォン紙幣は母親の申師任堂(シン・サイムダン)。申師任堂は韓国貨幣に唯一登場する女性で、良妻賢母の鑑といわれています。そう、韓国ドラマ「師任堂」のモデルとなっているのがこの方なんです。
5万ウォン紙幣の表の絵は申師任堂の作品です。彼女は主に草や虫を題材にして多くの絵を描きました。5万ウォン紙幣の表に描かれたブドウの絵に関してこんな話が伝えられています。ある日、宴会で一人の女性がスカートに染みができたと嘆いていたところ、それを見た申師任堂がその場で染みの上にブドウの絵を描いて周囲の人を関心させたといわれています。
1万ウォン札
緑色の1万ウォン紙幣には朝鮮の第4代国王である世宗(セジョン)の肖像が入っています。世宗は政治において常に百姓のことを真っ先に考える王でした。多くの業績を残し、百姓に対する温かい心を持っていたため、後に「偉大な王」という意味で「大王」を付けて「世宗大王」と呼ばれるようになりました。
1万ウォン紙幣は他の紙幣とは違い、世宗大王の業績に関する内容が主に描かれています。紙幣の表にある文字は叙事詩「龍飛御天歌(ヨンビオチョンガ)」の一節で、ハングルで書かれた最初の本です。紙幣に描かれている月と木は「日月五峰図(イルウォルオボンド)」という作品で朝鮮の王を象徴しています。
5千ウォン札
5千ウォン紙幣は栗谷李珥(ユルゴク・イイ)という人物が描かれており、これは5万ウォン札に描かれている師任堂の息子と言われています。紙幣の表に描かれている烏竹軒(オジュッコン)は、ここに生えるクロチクにちなんで付けられた名前で、ここで申師任堂の3番目の息子である栗谷李珥が生まれ育ちました。
千ウォン札
千ウォン紙幣は韓国の最少額の紙幣で青い色をしています。表側には花と伝統家屋、人物の絵があり、裏側には水墨画のような絵が描かれています。紙幣の表側に梅の花が描かれている理由は、退渓李滉がもっとも愛していた花が梅の花だったからです。彼は息を引き取る間際、息子に「梅の木に水をやってくれ」と頼むほどだったと言われています。