未だ「休戦状態」の韓国と北朝鮮
日本でも連日報道されている北朝鮮とアメリカまたは韓国との会談。少しづつ興味を持ち始めている方も多いのではないでしょうか?
韓国と北朝鮮は表立った争いはないものの、未だ「休戦状態」であり、いつ戦争が勃発してもおかしくない状態とも言われています。元々は1つの国だった韓国と北朝鮮は「境界線」を挟んで、北と南に分かれており、ここは物々しい雰囲気が漂う「DMZ」と呼ばれます。
そこで今回は韓国のDMZにスポットを当て、私たち日本人でも参加できるツアーや意外なお土産などもご紹介していきたいと思います。
韓国のDMZとは「非武装地帯」を意味するって本当?
1950年6月25日に勃発した朝鮮戦争により、「分断国家」の道を歩むこととなった韓国と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)。今もなお両国を分け隔てている「境界線」が、停戦協定により設けられた北緯38度線付近にある「軍事境界線」です。
DMZは「非武装地帯」を意味しており、正式名称は「Demilitarized Zone」となっています。この軍事境界線を挟んで南北それぞれ2km、合計4kmにわたる地域のことを「DMZ」と呼んでいます。
武力の衝突を防ぐためDMZ内では武装はもちろん軍隊の駐屯や武器の配置、軍事施設の設置が禁止されており、一般人の出入りも規制されています。
その一方で、半世紀以上に渡って人の活動による影響(住民などが居たり、ビルを建てたりしていないこと)を受けていないことから、貴重な野生動物や原生自然の宝庫として知られています。
韓国のDMZ軍事境界線「板門店」とは?
韓国側から見た場合、DMZは京畿道北部の坡州市から、江原道の鉄原郡を通り楊口郡、高城郡まで、朝鮮半島を東西に横断する形で存在しています。
「南北分断の証」とも言われるDMZには、軍事境界線上にある「板門店」や北朝鮮が韓国に攻め入るため掘ったとされる「南侵トンネル」など、緊張と対立を象徴する様々な施設があることで知られています。
中でも「板門店」は国連軍と、北朝鮮軍が共同で警備を行なっており、「共同警備区域(JSA)」とも呼ばれています。このエリアだけは、韓国も北朝鮮も行政管轄権をもっておらず、政府認定のツアーでのみ訪問が可能となっています。簡単に言うと「軍事境界線の真上」であり、どちらの国の管轄でもないという場所ということですね。
実際、この「板門店」では軍事境界線の真上に会議室などがあり、「数歩あるけば北朝鮮」というのが非常に不思議な場所でもあります。たった一本の線をまたいで、北朝鮮と韓国に分かれていることは当たり前のことかもしれませんが、なんだか異様な感覚にも陥ります。
韓国のDMZを訪れるなら観光ツアーがおすすめ!
「非武装地域」と呼ばれるDMZですが、一般人の出入統制が厳しく行なわれています。そのため、これら観光地の見学は個人参加ができなかったり各種申請が必要となります。
また、公共交通機関では移動が非常に困難な場所にあり、アクセス面でも外国人旅行者には難度が高め。そのため、DMZに行きたい場合には複数のスポットを効率よく観光できるソウル発着のツアーや自治体主催のツアーを利用すると便利となっています。
ホテルや空港には必ずと言っていいほど「DMZ(またはJSA)ツアー」のパンフレットが置かれているため、気になる方はチェックしてみると良いですね。
観光列車なら個人でもアクセス可能!
その一方で、ツアーじゃなくても利用できるのが観光列車。「DMZトレイン」はソウルから鉄原の「白馬高地駅」までを走る京元線と、ソウルから「都羅山駅」まで走る京義・中央線のからなる観光列車でDMZにアクセスできる唯一の列車として知られています。
列車内には鉄道・戦争・生態をテーマにした写真ギャラリーがあり、カフェではリアルな軍用食糧も販売されているため、より臨場感のある雰囲気となっています。ただ見るだけではなく、いろいろと学びながら見学をしたい方、DMZについてもっと詳しく知りたい方にはとってもおすすめの列車となっています。