韓国に増えていく高級マンション
韓国ソウル旅行に行ったことがある方は、空港から中心地に行く途中、高層マンションが非常に多いことに気が付いた方も多いと思います。特にソウルを流れる大きな川・漢江(ハンガン)沿いには年々、高層マンションが増えていっています。
日本も昔に比べ、かなりマンションの数が増え、最近ではスーパーやスポーツジムが入っているマンションも増えていますが、韓国ではどうなのでしょうか?
そこで今回は韓国のマンション事情を調査!気になる家賃制度や間取りなどもチェックしていきましょう。
韓国で「アパート」とは日本の「マンション」のこと?
日本で「アパート」と言うと、3階建てくらいの建物でお部屋も1Kから1LDKくらいを想像しますよね。しかし、韓国ドラマなどを観ていると「アパート」という言葉が良く出てくることに気が付くと思います。
そう、韓国で「アパート」というのは、日本で言う「マンション」のことのようです。では、そもそもアパートとマンションの違いはどこにあるのでしょうか?
アパートとマンションの違いは?
調べてみたところ、アパートとマンションの違いは「構造」とのことでした。マンションの多くは鉄骨造(S)、鉄筋コンクリート造(RC)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)で建てられており、その階数に制限がありません。
一方、アパートは2階~3階建てが一般的で、多くの場合木造または軽量鉄骨で建てられているのだとか。ちなみに日本でよく聞く「ハイツ」や「ハイム」「コーポ」といった名称も、まとめてアパートに分類されるようです。
これは日本でのお話ですが、これを踏まえて考えると日本と韓国では「アパート」と「マンション」の位置づけに違いがあることが分かりますね。韓国の「アパート」というのは、日本でいう「マンション」ということを覚えておきましょう!
また日本で言う「アパート」は、韓国では「ヴィラ」や「ワンルーム」と呼ばれることが多いようですね。
韓国の賃貸アパートは日本と支払い制度が違う?
日本では敷金礼金の他に、毎月の家賃が必要となります。そこに共益費などもプラスして、支払うことになりますよね。しかし、韓国では賃貸の場合「2種類」の方法があります。
チョンセ
賃貸契約時にまとまった保証金を払うことで、月々の家賃を支払う必要がないというシステムです。あらかじめ大家さんとの間で居住する期間を決めておき、契約期間終了時に保証金は全額返金されます。
例えば、6000万ウォン(約600万円)のチョンセを払い、2年間その家に住む契約を交わしたとします。2年後、家主は住人に家を出るよう言うこともできるし、交渉によっては続けて住むこともできます。2年経ってその家を出ることになれば、最初に払った6000万ウォンを家主から返してもらえるというシステムです。
最初に払った保証金が全て返ってくると考えると…一体、大家さんはどこから利益を得ているのか不思議になりますよね。しかし、このチョンセ制度は「大家さんが資金運用」することが前提となっており、1年で15%もの利子を受け取ることが出来るのだとか。
但し、現在の経済では金利の関係でチョンセ制度にしても赤字になることが多く、多くの方が次にご紹介する「ウォルセ」に変更しているようです。
ウォルセ
毎月決められた額の家賃を払う制度で、これが日本と同じ賃貸制度になります。ウォルセ契約の場合も、契約時に保証金を払うのが一般的で、不動産の物件情報では「○○○(保証金の金額)/△△(月々支払う家賃)」と表記します。
保証金の額が多いほど月々の家賃の額は少なくなるという特徴があり、場合によっては保証金と月々の家賃の配分を交渉することも可能です。保証金の金額が高めでチョンセ価格の半分程度に設定されている場合、「パンチョンセ」と呼ぶこともあります。
保証金はチョンセ同様、契約期間終了時に全額返金されますが、月々の家賃が支払えないことがあると保証金から家賃が差し引かれます。
どちらの制度を選んでも「不動産仲介手数料」や「共益費」はかかることになり、これも日本と同様です。ちなみに一般的なヴィラの場合、管理費は月に5000円程度とのことでした。
日本と違う?韓国のアパートの特徴と間取りは?
日本で一般的なマンションを賃貸で借りる場合、室内には一切の家具がなく、洗濯物はベランダへ干します。また、トイレと洗面所、浴室は完全別の部屋に分かれており、バスタブも完備されていますね。
一方、韓国のアパート(マンション)では洗濯ものは基本的に室内に干すまたはサンルームが完備されているということが多いようです。これはソウル市内では特に大気汚染やPM2.5などの影響で外に洗濯ものを干せないことと、最近の高級アパートでは外観上の問題から、外に干すことを禁止しているようです。
また、インテリアに合わせた家具がすでに付いている場合も多く、家賃に光熱費などが含まれている物件も増えてきているのだとか!その一方で、日本とは違い毎日浴槽に入る習慣がないことから、高級アパートでもシャワーのみという物件も多く、ホテルようにシャワーと洗面所でワンルームという場合もあります。
そして、マンションに必ずある駐車場ですが、これは屋外にある場合もありますが、高級アパートになればなるほど地下駐車場を設けているのが一般的で、中には鍵を渡すだけで入口まで配車してくれるというアパートまで登場しています。
日本でもそのような高級マンションがあるようですが、警備や管理などを比べると、韓国の高級アパートはさらに上を行くサービスを行っていることが分かります。
韓国の高級アパートに住む有名芸能人たち
しっかりとセキュリティも完備され、敷地内の整備も整っている韓国のアパート。以前、友人に会いに韓国の高級アパートを訪れた際も、すでに敷地内に入る時点でしっかりと身分確認をされ、何号室の誰に会いに来たのかまで尋ねられました。それだけ、厳重に警備しているということなんですね!
そんな韓国の高級アパートですが、ここ数年、人気アイドルや芸能人らもアパートを購入していることが話題となっています。以前は、お金持ち=江南エリアの大きな一軒家というイメージがありましたが、最近では江南離れが進んでおり、全てが管理されているアパートに住む方が増えてきているようです。
GALLERIA FORET(ギャラリアフォーレ)
ソウルの自然公園「ソウルの森」に位置し、ショップやレストランも入っている「ギャラリアフォーレ」。そう、あの韓国トップアイドルであるグループBのGさんが購入したことで話題を呼んだ高級アパートですね!他にもSMエンターティメント代表や各界の著名人などが住んでいることで有名です。
Hannam THE HILL(漢南THE HILL)
こちらはソウル龍山区漢南洞に位置する最高級アパート団地。部外者の出入りが禁止されており、セキュリティ完備されていることから人気のアパートとなっています。こちらにはアメリカ・ビルボードチャートにもランクインしている若手アイドルグループBが暮らしていると報道されており、事務所が「宿舎」として賃貸契約しているようです。
悪質なサセンファンや、自宅まで押しかけるファンに悩まされる芸能人たち。金額は高くても、セキュリティが整っており、安心して生活できる家へ住みたいという方が多いようです。
韓国ではアパートと一軒家どっちが人気なの?
日本で「お金持ち」のイメージは、なんとなく「一軒家」のような印象がありますよね。韓国でも数年前までは江南エリアの一軒家が「お金持ち」のイメージで、今でも俳優さんなどが多く生活しています。韓国ドラマにも出てくるような、大きな門のあるお屋敷ですね。
その一方でセキュリティなどを考慮するとアパートの方が人気が高い傾向があり、一軒家は大家族で暮らすもの、アパートは夫婦暮らしや単独世帯で暮らすもの、として人気が分かれているようです。
また、子供が4-5人いるような世帯でも、最近ではアパートを2室購入し、2室をつなげて使用したり、自分たちの生活スタイルに合うようにリノベーションしてしまうことも多いのだとか。どちらにしてもお金持ちな印象には変わりありませんね…。
日本とはちょっと違う韓国の「アパート」事情をご紹介しました。みなさんも韓国を訪れた際には、バスやタクシーから、韓国の高級アパートを眺めてみてくださいね!そのどこかに、大好きなアイドルが住んでいるかもしれませんよ。